男の秘密 -繋がる未来-


「手伝う事はないか?」

忍に言われてハッとしたが、何とか並べ終わったので、忍に手伝って貰わなくても良かったが、一つ気になる事がある。

昨日も夕食後に話をしようとしてはぐらかされたので、今日は夕食前に話そうかと思う。

「忍さん、聞いて欲しい事が有るんです」

「ご飯食べてからじゃダメなのか?」

「ダメ・・じゃないけど」

「なら、先にご飯を食べよう」

そう言って、食事を食べ始める忍の顔を見るが、表情が読めない。

「優、ご飯食べないのか?」

「え、うん。さっきつまみ食いしたから、お腹がよくて」

苦笑しながらそう話す優だが、つまみ食いと言っても、実際には味見した程度で気分が悪くなってしまった事は言えなかった。

優を見る忍の視線が気になり、風呂の用意をするといって、席を立ってしまう。

体調が悪い事を気付かれただろうか?

せめて、話が済んでからバレて欲しいと願いながら、風呂の準備にかかる。
< 116 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop