男の秘密 -繋がる未来-
準備と言っても風呂の湯は自動で停止するので、やる事はさほど無く、直ぐに終わってしまったが、リビングには戻りたくなかった。

それでも、長く居ると心配するだろうと思い、リビングに向うと、忍が立ち上がるのが見えた。

「何かいるものある?」

その声にこちらを向いた忍は、少し心配そうな顔をしていた。

「いや、やっぱり無理させたんじゃないかと思って・・・」

「大丈夫よ。それよりビール持って来ようか?」

「一人で食べてると美味しさが減るから、座っててくれるか?」

折角二人で居るのに・・・と付け足した忍は、少し拗ねているようだった。

「ごめんね。忍さん」

そう言って、二人で夕食を再開する。

「忙しいのに、わざわざサンドイッチ買ってきてくれてありがとう」

お礼が遅れた事を謝りながらそういう。

「俺が食べたかったから、ついでだ」

ぶっきらぼうにそう言うと忍はフイと目を逸らした。
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