男の秘密 -繋がる未来-
「そうだったの。週刊誌なんかで書かれてたけど、大変だったのね」

「うん。お互い、どう思ってるのか分からなくて悩んでたみたい・・・
それで、今度、二人に内緒で忍さんとお父さんを合わせようと思ってるの」

複雑そうな顔で話す優に、何が言いたいのか何となくわかった。

「優は乗り気じゃないのね」

「だって、内緒にするのが嫌だから・・・」

「でも、お母様がそういうって事は、きっと話したら会わせられないって事なのね」

「うん。そう思う。真希さんだから分かる事だと思うんだけど・・・」

「納得出来ないと?」

「何か、騙(だま)してるみたいで心苦しくて・・・」

困った顔をしている優に悪戯っぽい笑顔を向ける。

「そんな事で嫌われるような仲じゃないでしょ。それに、きっと、一瞬だけよそんな感情は」

「そうかしら」

「騙そうが、何しようが、今しかチャンスは無いのよ!だったら、一番確実な方法を取るのは当たり前!
だから、精一杯頑張りなさい」

羽奈の言葉に胸が苦しくなった。
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