男の秘密　－繋がる未来－
その間に、忍と隆司は、店の奥にある、小さな和室で眠り、優は店舗内でさやかと二人で色々話していた。

「そう言えば、結婚式の日取りは決まってるの？」

不意にそう言われ、驚いてしまったが、それは結婚について何も決まっていなかったからだ。

「えーと、実は全く決まって無くて。
私、忍さんと一緒にいられるなら、別に結婚しなくてもいいって思ってたんです」

「うそ！じゃぁどうして結婚しようって思ったの？」

「それは・・・」

『忍さんを安心させる為？・・・確かに最初は、忍さんが安心するならって思っていたけど、私自身も安心したいと思ったわ・・・でも、安心ってなんだろう？安心の為に結婚するの？家族になる為？結婚しないと家族になれないの？』

色々考え出すと、結婚する意味が分からなくなってきた。

「大丈夫？」

「あ、はい。大丈夫です。あの、さやかさんの結婚の理由はなんですか？」

「私の結婚の理由かぁ。確かに聞かれたらコレって言うのないかも。
隆司とずっと一緒に居られる権利の為かな。同性なら何時までも一緒に居る事は出来るけど、異性だと中々難しいよね。でも、逆に異性なら、結婚してしまえば無条件で一緒に居られるわ」

「一緒に居る為・・・。」

さやかの言葉を頭の中で繰り返してみる。

自分はどう感じたのだろう。
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