男の秘密 -繋がる未来-
「さやか。」

声のする方を見ると、隆司が立っていて、その後ろに忍の姿もあった。

「悪いけど、忍たちを送ってやって・・」

まだ、眠そうに大きな欠伸をしている隆司に、一瞬目を丸くしたさやかだが、分かったと頷いた。

「さやかさん大丈夫です!駅まで歩いて行けます」

「6時を過ぎた所だけど、外はもう暗いわ。お家まで送ってあげるから」

「頼んだよ。」

「ええ、だから隆司もちゃんと家で寝るのよ。」

隆司の言葉に力強く頷き、悪戯っぽく笑い返す。

「分かった。ありがと」

「でも・・」

「いいのよ。その為に今日は飲んでないの」

楽しそうに笑いながら隆司を促して外に出る。

二人になって先ほどから忍が会話に入ってこない事に気付いた。

「忍さん大丈夫?」

柱にもたれ掛かったまま、少しぼんやりしているように見えたので、そう声をかけた。

「うん・・ちょっと眠いな」

普段酒を飲まない自分が、免許を持っていたら、こんな時気を使わずに帰れるのだろうと思った。

『早く免許を取りに行かないと』
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