男の秘密 -繋がる未来-
始めはニコニコしていた柏木の表情が、段々険しいものに変っていくので、優の気持ちは段々沈んでいく。

長い沈黙の後、大きく息を吐いた柏木に、思わずビクリと肩が跳ねてしまう。

「これは・・・凄い」

「え?」

まるで悪いテストが返却されるのを待っていたかのような優に、ポツリと柏木が呟いた。

「凄いよ! こんな自然な彼が撮れるのはやっぱり君だけだ」

その後もべた褒めされて、恥ずかしくなって俯いたり、両手を振って否定したりと大慌てだった。

「それで、どれだったら使っていい?」

ひと段落ついた後、真剣な顔で柏木が聞いてきた。

「えと、色々考えたんですが、この一枚が良いかと」

優の示した写真を暫くじっと見ていた柏木も、頷いていた。

「そうだね。これが一番良い表情だね。じゃぁこの写真を貰うよ」

データのコピーをして、使用許諾の書類にサインをした後、ゆっくりと紅茶を飲んだ。

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