男の秘密　－繋がる未来－
羽奈から電話をもらった忍は真っ青になっていた。

「睡眠不足と栄養失調だそうです」

経った二日でそんな診断が下されるとは夢にも思っていなかった。

羽奈の説明を聞いて心配になったが、今日でロケが終わるので、今日の夜には優に会える。

今すぐ仕事を放り出して傍に行こうと思った時、羽奈が「私が付いているので、忍さんは仕事を終わらせてから来て下さいね」とまるで忍の心を読んだかのような言葉で釘を刺した。

仕事を終えて病院に着いたのは、日付がまだ、変わる前だった。

羽奈の顔が利く病院だったらしく、深夜にも関わらず病院に入ることが出来た。

『本当に羽奈は何者なんだ？』

小さくノックをして病室のドアを開けると、小さな明かりの中に優と羽奈が居た。

ドアの開く音で羽奈はこちらを見て、立ち上がる。

「遅くなって悪い。優の状態は？」

点滴をされて眠っている優の顔は、暗がりのせいか紙のように白く、頬も扱けていて、自分が出かける前とは全く違った面差（おもざ）しになっていた。
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