男の秘密 -繋がる未来-
『一体何があったんだ?』

「どうも、絵を描くのに夢中になって、寝食を忘れてしまったみたい」

羽奈の寝食を忘れたという言葉に忍は驚いた。

「寝食を忘れるのにも限度があるだろう」

「普段はこんな事無いのだけれど・・何か心当たりは?」

「・・・」

「有るのなら、ちゃんと話し合って下さい。案外単純な勘違いですわ」

そういって笑った後、羽奈は帰って行った。

眠っている優を見ると、離れてそんなに経っていないのに、別人のようにやつれていた。

確かに優が寝食を忘れるなんて考えられなかった。

こんな時なのに、柏木の事が思い出され、胸が痛む。

自分は優の事になると、冷静で居られないどころか、嫉妬深くなる事に気付いた。

今まで女性に深入りしないようにしていたから、こういう気持ちを抱くことが無かったのか、優が特別なのか・・・
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