溺愛ドクターに求愛されて
「ごめん、ちょっと意地悪した。本当に、すぐ隠れようとするんだから。ねえ、教えて。どうして泣いてるの?」
大きな手で頬を包まれて、私の顔を覗きこんでくる裕介に目で促されて私は迷いながらも話し出した。
「私の父親、あんまりいい父親じゃなくて……何回も浮気してて。私の記憶の中のお母さんはいつも泣いてて……」
話し始めた私に一瞬、目を見開いた裕介が少し微笑んで私のことを抱きしめてくれる。
温かいぬくもりに包まれて、頭を撫でてくれる裕介にすごくほっとしてその胸に頬を擦り寄せる。
「うん、ゆっくりでいいからね。沙織が思ってること全部聞かせて」
そう言われて、また涙が溢れてくる。本当に、私どうしちゃったんだろう。
なんでこんな風になったんだっけ。
月を見てたら、裕介が恋しくなっちゃって、それで……夢を見た。