同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
「わー、すいません! じゃあお言葉に甘えて……」
うれしそうに理央が席に着くのを見た後、嵐が立ったまま私の方に向き直る。
「返事、待ってる。来月いっぱいは、まだ東京にいるから」
「うん……そうだ、連絡先」
「昔と変わってないよ。みちるが消しちゃってるなら教えるけど」
……そっか。それなら、大丈夫だ。
ただ消していなかったっていうだけだけど、私も嵐に未練があるみたいでなんか気まずいけど……。
「……消してない」
「なら平気だな。じゃあまた。会計は笹川さんの分も大丈夫だから、食べ終わったらそのまま出ちゃって」
「ええっ! なんかすいません……。ごちそうさまです!」
いいえ、と紳士的な微笑みを残してこの場を去っていく嵐。
その姿が見えなくなるのと同時に、理央が鼻息を荒くしてテーブルに身を乗り出す。
「みちる! 何よあのでっかいイケメンは!」
「……元彼」
「でも今現在口説かれてるんでしょ!? いいじゃん! カッコよくて誠実そうで、私にまで奢ってくれたし!」
それ、最後のやつが一番高ポイントなんじゃ……? なんて疑いつつ、私は理央に問いかける。
「理央は、私が会社辞めてもいいと思うの?」