同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
それまで興奮気味だった理央が、ピシッと石のように固まった。それが解けたかと思うと、眉根を寄せ、険しい表情をつくる。
「……なにそれ。あの人、結婚したら女は家にいろっていうタイプなの?」
「そうじゃないけど……彼の地元に一緒に来てほしいって」
「そんなに遠いとこなの?」
「うん……岡山」
その地名を聞くなり、理央も納得したように「なるほど」と呟いた。
急に静かになってしまった理央は、それ以上嵐のことを詮索してこなかった。
さっきまでの食いつきを考えると不気味でもあるけど、地元のことをあまり突っ込まれると困るからよかった……。
同期の理央にさえ出身地を内緒にしている私は少しほっとしながら、食事を再開した。
理央はそれから天丼を注文してあっという間に平らげると、同じく食事を終えていた私に言う。
「みちる、この後何もないならちょっと付き合ってよ。今度産休入る企画課の先輩へのプレゼント選ばなきゃいけなくてさ」
「うん、いいよ」