同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
反論するのも面倒で、俺は素直にうなずく。
「全く、これだから男の子の母親っていうのは切ないのよね。まあいいわ。元気になったらその子紹介しなさいよね!」
「わかった」
こうして実家への短い滞在を終えた俺たちは、朝から電車に揺られて東京へ向かった。
……みちるに会いたかった。
彼女の顔を見て、声を聴いて安心すれば、このタチの悪そうな風邪も一発で治る気がした。
それなのに、どうしてだろう。
いざ東京に帰って彼女の顔を見ると、喜びよりも、胸をかきむしられるような痛みに襲われた。
結局、俺は素直になるどころか……。
*
「……難波の……せい、だろ」
望み通り帰ってきた自宅のベッドの上。
苦しそうな俺を心配そうに見つめ、冷たいタオルを頭に乗せてくれた彼女の優しさを、仇で返すような言葉を発してしまった。
俺がこんなに苦しいのは、みちるのせい。
みちるがいつまでも嘘をついて、俺を欺くから。
そのうえ、俺のいない間に元彼と会っていたって何なんだよ……。
これでもかというくらいに負の感情が押し寄せ、同時に顔を出すのはみちるに対する強い独占欲。
寒いから隣に寝てくれと頼んだのに、いつまでもモジモジと迷った素振りを見せる彼女の姿に、さらにいら立ちが募った。