同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
だから、あんな男を健気に待つ必要なんてないんだ。
そんなことを考えてしまう俺は、そのときすでに嫉妬心があったのだろう。
話したこともない彼女にどうして惹かれたのか、その理由はたぶん、いつも一所懸命に彼氏を想うみちるに自分を重ねていたのだと思う。
誰かひとりを愛すことに、集中し過ぎてしまう。それがいいことなのか悪いことなのかはわからないが、まさに俺の恋愛がいつもそうで、そのせいで失敗した経験もある。
だから、ひたむきなみちるを見ているうちに自然と応援したくなって、いつしか恋愛感情が生まれていたのだ。
でも、俺の気持ちなど知る由もないみちるは、俺の思惑通りになんて動いてくれなかった。
いきなりベンチから立ち上がったと思うとキッと俺を睨みつけ、大声で言い放つ。
「ちばけな! 嵐は浮気なんかせん! わやくそなことゆーな!」
地元出身者も多く通うこの大学に通い始めて二年、岡山弁にもだいぶ慣れてきたはずだったが、その時みちるに何を言われたのかすぐにはわからなかった。
でもとにかく、自分の彼氏は浮気なんかしないと言い張っているということだけは伝わった。
同時に、そこまで愛されている男が羨ましく、妬ましくもあった。
「……ゴメン。余計なお世話だった」
「もうええ……どっか行って」