同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~


言い終わると同時に、今まで手をつないでいただけの愛咲ちゃんをひょい、と抱き上げてしまう。

しかし、愛咲ちゃんのほうがよっぽど大人っぽく口をとがらせていて。


「パパー、そろそろアイサばなれしてよ。ウィルはイケメンだしデートくらいならいいじゃん」

「絶っ対! ダメだ」


なんて可愛い父娘のやりとりなんだ……。ほっこりしながらふと愛海さんを見ると、家族の方を見ずに海岸線を遠い瞳で眺めている。

あれ? なんか、表情が暗い……?


「そういえば、サーフィンやりたいっていうのはダレ? 僕がいいポイントまで連れて行ってあげる。必要な道具も積んであるからすぐ行けるよ」

「――あ、私たちです!」


一旦愛海さんから視線を外して、迅と一緒に手を挙げる。


「じゃあ、僕たちは先に別荘へ行ってのんびりしているよ。きみたちの荷物も大きい物は運んでおこう。じゃあウィル、二人をよろしく」


社長の好意に甘えて私と迅はキャリーバッグを彼に預けた。

それから社長たちはウィルの友達が運転するという二台の車に分かれて乗車し、走り去っていく。


「じゃあ、ボクたちも行こう。ええっと……」

「あ、みちると迅です。私たち、ウィルと同い年なの」

「ホントに? キョウスケの友達だからみんな年上かと思って緊張してたけどよかった。ミチル、ジン、よろしく!」

「こちらこそ!」


初対面の人と一緒だなんて私も緊張してたけど、ウィルのような人でよかった。

フレンドリーだし、日本語も通じるし。


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