同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
なんで俺が殴られなきゃいけないんだ。わけがわからないという顔をする俺に、ウィルが海の方に視線を投げつつ渋々と言った感じに語る。
「ジンの愛情ってわかりにくいんだもん。それでみちるだってあんな浮かない顔してさ。……でも、今ボクを本気で殴ろうとしたから、許してあげる」
「……別に、お前に許される筋合いはない」
でも、浮かない顔をさせていたのは確かに俺だろうな……。
彼女を幸せにしていやりたいと思っているはずが、これじゃプロポーズする資格があるのかすら怪しい。
「そうやって僕の前でクールにするのはいいけどさ。ミチルのことだけは不安にさせちゃだめだよ」
諭すような口調に少し腹が立つけど、正論なので言い返すことができずに俺はため息をついた。
「ああ……それに関してはウィルの言い分を認めるよ。彼女にはちゃんと謝るし、俺の気持ち伝える。だから、今度こそ居場所を教えてくれ」
「……OK。ケータイある?」