同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~


「もっとそばで、難波のことが知りたいんだ。だから……ここで俺と一緒に、暮らしてくれないかな」


比留川くんも、真面目に私と向き合おうとしてくれている。それが伝わってくるような、切実な瞳だった。

断る理由なんてない。彼の近くにいられることは、私にとってむしろ嬉しいことだもの。


「いいよ。私、比留川くんと、一緒に住む」


快く了承した私に、比留川くんは固くなっていた表情をふっと緩ませた。


「……よかった。あ、そういや難波シャワー浴びた方がいいと思う。なんか目のまわりすごいことになってる」

「え?」


咄嗟に目元に触れ、指でそこを撫でる。

すると、アイシャドウとアイラインの色が汚く交じり合った色と、マスカラの残骸がひじきのように指についた。


「ぎゃー! もしかして私、お化けみたいな顔してるんじゃ……」

「……まあ、人間よりはそっちに近いかもな」


クッと片側の口角を上げて不敵に微笑んだ彼に、怒りがむくむくこみ上げる。

こんな顔で同居の約束とかしてたなんて……!

比留川くんってば、よく笑わずにいられたわね!


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