同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
『みちる。彼女が今度は“東京を案内する”言うてくれたんじゃ。それで……よければ、付き合わんかって。みちる……どう思う?』
どう思う? ……って、悲しいに決まってるじゃない。
でも、その一言を言われる前からわかっていた。
元彼が、東京から観光にきた綺麗なお姉さんと知り合って、彼女にどんどん夢中になっていくのを、一番近くで見ていたんだから。
『私のこと……捨てるん?』
『捨てるって……前から思うとったけど、みちるはそうやって男に依存し過ぎじゃ。そういう、田舎くさい恋愛は卒業せぇ。自立した女にならんとおえんで』
田舎くさい恋愛ってなに……?
自立した女って?
もう何年も東京に住んでいるのに、今でもその定義がわからない。
……比留川くんも、こんな女には疲れてしまうのだろうか。
比留川くん……。
彼のことを思うと胸が締め付けられて、ベンチの上で、きゅ、と自分の腕を抱いたそのとき。
「……見つけた」
心に思い描いたその人の声が、頭上から降ってきた。