同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
「悪い。俺が付き合えるのはここまでだ。原因について、思い当たるところはあとで資料にして渡す。それに、今日以降に作られるミストロイヤルの風味には特に注意を払っておく」
「いえ、お忙しいなか時間を割いていただいてありがとうございました」
「ありがとうございました」
二人で柏木さんに頭を下げ、開発室を後にした。
それぞれの持ち場に戻る途中、比留川くんが教えてくれる。
「ミストロイヤル……もともとは俺が企画した商品なんだ。だから、どうしても思い入れが強くてさ。でも他にもやらなくちゃいけない仕事はあるから、休憩中にコツコツ調べたりして。……なんとか雑味の原因がわかればいいんだけど」
そっか……さっき、クッキーを齧りながらパソコンを睨んでいたのは、この件だったんだ。
彼の仕事に対する誠実さや情熱を強く感じて、何か私にも協力できないかという気持ちになる。
「そうだったんだ……。また、私に何かできることがあったら言ってね?」
「ああ。サンキュ」
気を許したような笑顔を向けられ、胸がきゅんと鳴った。
ダメだなぁ……私、本当に比留川くんに心を奪われているみたい。
家でも会社でも、あなたの一挙一動にときめかされてばかりだよ――。