同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
でも、今日は料理を作ってあげようと思っていたから、私が先に帰っていてちょうどよかったかもしれない。
私は手を洗って、自宅から持ってきたお気に入りのエプロンを着けるとキッチンに立つ。
この間家庭料理が得意だとか言っちゃったから、それらしいものにしよう。
今ある材料でできそうなものは……。
冷蔵庫をごそごそとあさり、頭の中で献立を作る。
比留川くん、肉じゃがとか好きかな。あとは、きんぴらと、お味噌汁にも野菜をたっぷり入れて……。
考えながらさっそく調理を開始し、一時間もしないうちにほとんど完成となった。
「我ながら、上出来」
鍋に菜箸を入れて肉じゃがを味見した私は、得意げにひとりごちる。
そのときちょうど玄関のドアが開く音がして、私は喜々として比留川くんを出迎えに行った。
「おかえりなさい!」
「ただいま。なんか、いい匂いするな」
比留川くんがくんくんと鼻を鳴らす。
「うん、ちょうどご飯できたとこなの」
「マジ? ……あー急に腹減ってきた」
頼りない声を出す彼がなんだか微笑ましい。