箱入り娘と黒猫王子
ざわざわと飛び交う言葉となかなか進まない列に少しいらいらする。
少し暖かくなった6月。
日差しが指す渡り廊下には生徒が溢れ返り、整列させる声や放課後の予定を話す声も聞こえてくる。
「るうちゃんは放課後何するの?」
「部活〜♡」
「デスヨネー」
当たり前かぁ、普通に平日だし。
私は家の都合上部活動には入ってない。
いや、多分お兄ちゃん達は入りたければ入れって言うんだろうけど。
家のこと…誰かがやらなきゃだし…みんなそれなりに忙しいから入るつもりもない。
それから暫くしてやっとパイプ椅子に座る。座ってからもざわめきは止まず、私もるうちゃんと喋っていると、
「皆さん、静かにしてくださ〜い。」
透き通る高い声に前を向くと、華奢な可愛らしい2年生が立っている。
明るい色の髪を二つの三つ編みにして、大きな黒縁のメガネに、私たちへ向けられたニコニコと愛想のいい笑顔。
「…はい、じゃあ、生徒総会を始めま〜す!
まず初めに、生徒会長の挨拶です。」
その言葉のすぐあとに、舞台の階段を上る足音が響く。
少しずつ見えた後ろ姿はすらっと細いラインの男の子…?
その男子生徒がこちらを向いた途端、きっと1年生は驚いたと思う。…私と同じように。
「皆さん、こんにちは。生徒会長の
紫ノ宮高嶺(しのみやたかね) です。」
壇上でそう微笑む彼は……儚げで美しかった。窓から射す光に、消えてしまいそうなほど白くきれいな肌。大きなヘーゼルの瞳。小さく高い鼻とふっくらとした桜色の唇。
思わず息を呑む…そんな整った容姿。
「改めて一年生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。もう学校生活には慣れましたか? 」
少し高めのこれまた綺麗な声で言葉を紡ぐ生徒会長に見とれていると、
「ねぇねぇ、やっぱ、噂通りのイケメンだね!会長!!」
「えっ?!あ…うん、そだね。」
少し暖かくなった6月。
日差しが指す渡り廊下には生徒が溢れ返り、整列させる声や放課後の予定を話す声も聞こえてくる。
「るうちゃんは放課後何するの?」
「部活〜♡」
「デスヨネー」
当たり前かぁ、普通に平日だし。
私は家の都合上部活動には入ってない。
いや、多分お兄ちゃん達は入りたければ入れって言うんだろうけど。
家のこと…誰かがやらなきゃだし…みんなそれなりに忙しいから入るつもりもない。
それから暫くしてやっとパイプ椅子に座る。座ってからもざわめきは止まず、私もるうちゃんと喋っていると、
「皆さん、静かにしてくださ〜い。」
透き通る高い声に前を向くと、華奢な可愛らしい2年生が立っている。
明るい色の髪を二つの三つ編みにして、大きな黒縁のメガネに、私たちへ向けられたニコニコと愛想のいい笑顔。
「…はい、じゃあ、生徒総会を始めま〜す!
まず初めに、生徒会長の挨拶です。」
その言葉のすぐあとに、舞台の階段を上る足音が響く。
少しずつ見えた後ろ姿はすらっと細いラインの男の子…?
その男子生徒がこちらを向いた途端、きっと1年生は驚いたと思う。…私と同じように。
「皆さん、こんにちは。生徒会長の
紫ノ宮高嶺(しのみやたかね) です。」
壇上でそう微笑む彼は……儚げで美しかった。窓から射す光に、消えてしまいそうなほど白くきれいな肌。大きなヘーゼルの瞳。小さく高い鼻とふっくらとした桜色の唇。
思わず息を呑む…そんな整った容姿。
「改めて一年生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。もう学校生活には慣れましたか? 」
少し高めのこれまた綺麗な声で言葉を紡ぐ生徒会長に見とれていると、
「ねぇねぇ、やっぱ、噂通りのイケメンだね!会長!!」
「えっ?!あ…うん、そだね。」