箱入り娘と黒猫王子
「なんか、紫ノ宮会長って理事長のお孫さんで、お父さんはアパレルとか不動産とか手広く手がけてるやり手の社長さんなんだってぇ〜!
しかも弓道部部長で成績も学年トップだよ?!完璧過ぎない?!」



ほぉ〜…確かに凄い…。
るうちゃんの興奮しようもすごいけど…。

凄いねるうちゃん。私朝からそんなアドレナリン出す元気ないや…。めっちゃ眠いもん。

るうちゃん見てると、何だかテレビの芸人さん見てるおばあさんの気分だ。元気だなぁって。ふふっ。

でもまぁ、本当に王子様みたいだよね〜…

ふと、会長に目を戻すとじんわり熱くなった体育館には似合わない涼しい笑顔をこちらに向けた。

…ん??こっち見てる?



「……?」

「ふっ…では、これで僕からの話は終わります。」



わ、笑った?!今一瞬笑ったよね??
こっち見て笑ったよね?!



「る、るうちゃんっ、」

「ん??なぁに?」



へっ?
な、なぁにってそんなキラキラした顔のまま言われても何も言い返せないけど…

至って普通の彼女に拍子が抜ける。
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