箱入り娘と黒猫王子
「どうかな?受けてくれる?」

「えっと…私家のこと、やらないとで、
あんまり遅くまでは出来なくて……」

「あ、それは大丈夫。
たまに遅くまで仕事があることもあるけど、基本的にはすぐに終わる仕事ばかりだから。」

「で、でも…」

「お願い、…ダメ?」



うっ…そんな、捨て猫みたいな目で見ないで…



「高嶺?その子がさっき言ってた…」

「あっ、絃晴!そーなんだ、えっと、…そういえば名前は?」

「あ、久我、花です…」

「ふら、わ…?変わった名前だね。可愛い。」



か、可愛いって!!!

それに、先輩はすぐに優しそうに笑うけど、その笑顔の安売り良くないですよ!!?心臓に悪い…

なんて言えなくて、固まってしまう…。



「花か、宜しくな。俺は、副会長の阿笠絃晴(あがさげんじょう)」



スポーツマンぽい男の人らしい体で、紫ノ宮先輩とは違ったタイプの美男子、阿笠先輩。

紫ノ宮先輩が王子なら、阿笠先輩は黒騎士っぽい。…乙女チックなたとえだけど…。
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