箱入り娘と黒猫王子
お弁当の盛り付けもそこそこに、2階へ上がる。

「空〜起きて」

「んん〜…あと5ふ「はーやーく!」」


軽く叩けば渋々起き上がる双子の兄の九男、空(かなた)。
同じ高校のサッカー部員。朝練があるからほかの兄弟より起きるのが早い。

そして、朝練勢がもう1人…


「いっちゃー「おはよ、ふーらわ♡」」

「…おはよ、いっちゃん」


七男の愛(いつみ)はバレー部の主将で、ひとつ上の高校2年生。少しチャラくて、女の子が好きだけど、すごく優しいお兄ちゃん。

そして起こす前にだいたい起きてる。
だから前に一度起こしに行かなかったことがあったんだけど…


「花が起こしに来てくれるまで部屋から出ないから!!」


って子供みたいに駄々をこねられちゃって…それ以来ちゃんと起こしに来てる。

先に2人のお弁当を完成させて、リビングにやってきた2人に朝ごはんを出す。

おかずは、お弁当の残りだけど。


「あ、今日唐揚げじゃん」

「俺の好きな卵焼き!!…うん、今日も甘くて美味しい♡」

「え、甘いの…?」

「いっちゃんだけだから!空のはだし巻きだから!」


そんな2人を送り出せばもう7時。
ほかの兄弟を起こす時間。


次男、錦(にしき)
「にーくん、起きて」

五男、和(なごみ)
「なっちゃん、おはよ」

八男、生(いくる)
「いっくん、朝だよ」
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