箱入り娘と黒猫王子
「ま、茉夏さん?!い、行くって今どちらへ向かってるんですか??!」

「んー?もちろん!我らが生徒会室だよぉ〜!」



や、やっぱり!!



「で、でも私、HRが…」

「だーい丈夫大丈夫!!潤子ちゃんに頼んだから!!」



うわぁーーーん!!
るうちゃんの最後のバイバイはそういうことか!!
なんでも茉夏さんが言うには、生徒会は一定の成績が取れれば授業に出なくてもいいんだとか……。

あぁ…昨日の今日で、紫ノ宮先輩に会うのは何だか緊張するぅ…。



「会長ぉー!!!」

「……るっさい茉夏、」

「ほらほら!ふらちゃんの初仕事日なんですから!シャキッとしてください!」

「お前はいつでもテンション高すぎ…」



耳を塞いで見れば、眠そうな目を擦って軽く背伸びをする姿は、やっぱり見とれるくらいかっこいい。

人形が動いてるみたい。



「ふら、」

「は、ははい、!」

「ふっ…緊張し過ぎ。取って食ったりしねぇよ。」

「す、すみません…」



薄ら口角を上げる先輩。

思ったより優しい……私、ビビりすぎ?
だとしたら少し、先輩に申し訳ない。
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