箱入り娘と黒猫王子
…なんて、前言撤回!!!



「ふら?何してんだ?ナマケモノのモノマネか?」

「い、いえ…アンケートの集計を…」

「どんだけ時間かかってんだっ!!」



ひぃぃぃい!!!



「まぁまぁ会長、ふらちゃん怯えちゃってるじゃないですかぁ〜可哀想に〜」



私を庇うように背後から抱きつき、紫ノ宮先輩を睨む茉夏さん。



「お前もお前だ、昨日渡した配布用の資料、見せにこねぇが準備出来てんだろうなぁ…?」

「…あ、やば」

「あ、やば、じゃねぇ!!ふらに抱きついてねぇでさっさとやれ!!」

「ひゃぁ〜」



さっきまでの優しい先輩は嘘のような鬼っぷり!!
こ、怖いよぉ〜!るうちゃんに会いたい〜!

うちの学校は生徒会が主体になって動くことが多いから、仕事がめちゃくちゃ多い…。
やってもやっても減ってる気がしないよ…。



「おぉー、荒れてんなぁ高嶺(笑)」



脳天気な声思わず振り向くとそこには、阿笠先輩の姿。そう言えば、朝からいなかったな…。



「絃晴…会議どうだった。」

「まぁ去年同様だよ、丸投げとはいいご身分だな先生方も」

「はぁ…まぁそうだろうと思ったけどな」



何の話だろ…会議?去年?丸投げ??



「生徒総会が終わったら、すぐ体育祭の準備なんだよ♪」



頭の中にあった私の疑問に、すっぽりハマる答えが飛んでくる。

…茉夏さんてエスパー?



「だから会長は、体育祭準備が始まる前にその他の仕事を片付けちゃいたいってわぁけさ」

「なるほど…」



そう考えるとイベント続きで、急がしそうだなぁ。
去年は3人でやってたなんて考えられない。
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