箱入り娘と黒猫王子
私も……入ったからには役に立ちたい。

今まではお兄ちゃん達に守られてばっかだったけど、初めて自分でやろうって決めたんだもん!!



「し、紫ノ宮先輩!!集計、終わりました!!」

「ん?あぁ…お疲れ様。」



ふわっと、優しく頭に手が触れる。

ひょえっ?!!
な、撫でられた!!撫でられた!!

当の先輩はちらっと何気なくこっちを見たけど、何も無いようにまたプリントに視線を落す。

優しいと怖いの振り幅が心臓に悪い……



「はぁ……」



何はともあれ、とりあえず仕事は終わっ…



「おい、何終わったみたいなため息ついてる。」

「……へ??」

「次、これな」



ドンッ

な、何この紙の山…



「安心しろ、俺がもう目を通し終わったやつだから、お前はこれに判を押せばいいだけ」



にっこり綺麗すぎる笑顔を私にむける先輩。

いいだけって……これ、2?3??何百枚あるの??
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