にゃおん、とお出迎え

ほえぇ。
あたしは口を三角にあけて、にこにこ笑うミネちゃんを見上げている。


「お届け物です。印鑑お願いします」

「はい、ご苦労様でした」

大きな箱を渡すのは、あたしみたいなクロネコの絵が描いてある帽子をかぶった背の高いおにーさん。
ミネちゃんは嬉しそうにそれを受け取ると、「よいしょ」と言って箱を運んだ。


「みゃーおん、みゃーおん」


ねぇねぇ。ミネちゃん。それ何?
あのおにいさんからのプレゼント?
あたし、カタセくんよりあのおにいさんの方が好きだなぁ。
だって、帽子にあたしがいたもん!
きっとネコが好きなんだよ。

一気にまくしたてたけど、ミネちゃんたら全然聞いてない。


「わあ、お母さんからだ」


あれ?
あのおにいさんが持ってきたのに。
お母さんって、遠くにいるんでしょ。
車で、うーんとうーんとかかってようやく着いたところだったよね。


ミネちゃんはうきうきしながら、箱を止めているガムテープをビーって引っ張った。
ベリベリーっていい音がする。
あたしの耳がウズウズするよ。そうそうミネちゃん。それをぐしゃぐしゃっとして。

ミネちゃんの手に、ガムテープのボールが出来上がる。
あたし、これ大好き。
爪を伸ばして手を振ると、張り付いちゃったりして。それでもぶんぶん振ってるとポーンって飛んでっちゃう。
でもあんまり遠くまで飛んでいかないからすぐ飛びつけるし。
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