にゃおん、とお出迎え

とある土曜日。
そんな邪魔者はごきげんな顔でやって来た。

「ほら、プレゼント」

あたしをお膝に抱っこしてくれているミネちゃんの前に、ドサリとおかれるのは大きな紙袋と細長いダンボール。

「なにこれ」

「クリスマスツリーだよ。この部屋に無かったろ」

得意気に笑ったカタセくんは、中からピカピカのクリスマスツリーの書いてある紙をミネちゃんに見せた。

「場所をとるから置いてないんだよ。えーこんな大きいの買ってきちゃったの?」

不満気な声を上げるミネちゃんに、カタセくんは焦ったらしい。

「いや、でも。これ綺麗なんだぜ」

ってダンボールを開き始めた。
中から出てきたのは、カタセくんの腰ぐらいまである木だ。

うわあ、大きいなぁ。
細長かったはずのそれは、カタセくんが手を加えると、枝が広がっていく。

カタセくんって魔法使いだったのかな。
それとも庭師?
全部の枝が広がった木を、あたしはほえって口を開けて見つめる。

すごい、大きい。
登りたい登りたいって欲求がウズウズしちゃう。

「にゃーおん、にゃーおん」

突然動き出そうとするあたしを、ミネちゃんが押さえた。え、でもじっとなんかしてられませんけど?
ミネちゃん、離して。あたし、この木に登る!
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