にゃおん、とお出迎え
必死に叫んだのに、あたしの気持ちは誰にも届かず、三人はにこにこしたまま何かお話しして、やがてセイシロウくんとミサちゃんは歩いて行ってしまった。
うう、もうだめ。あたしはもうニンシンになるの。
ミネちゃんの腕の中で力なく崩れ落ちるあたし。
「折角来たから、遊んでいこうか」
ミネちゃんは青い顔をしつつも、ベンチに座ってあたしを自由にしてくれたけど。
ああミネちゃん。ごめんね。あたし、病気になっちゃったみたいよう。
折角の公園だけど、帰ろう?
「にゃー」
元気の無く足元にすり寄るあたしに、ミネちゃんは不思議な顔をして抱き上げてくれる。
「疲れちゃったの? 変なモカちゃん」
そのまま、やっぱりまだお酒臭いミネちゃんに抱かれて、あたしは家まで帰った。
それから三日くらい。
あたしはニンシンってやつになるのかどうかドキドキしてたけど、何だか元気なままみたい。
あの子たちが間違えてたのね。
だったら、もっとセイシロウくんと仲良くすればよかったなぁ。
お日様の当たる窓際で丸くなりながら、あたしはあくびをひとつした。
【Fin.】