にゃおん、とお出迎え
「違うって。今日がそのブルームーンの日だから、一緒に見ようと思って。ほら、このカクテル綺麗だろ? ムードでるかなって」
「そうやって言いくるめようとしてるでしょう」
「そんなことない! ほら、見ようぜブルームーン。綺麗だよ?」
ミネちゃんの単純な性格を、カタセくんはよくわかっているらしい。
ベランダへの扉を開けて、月を見せられた途端に、ミネちゃんは顔を晴れ渡らせた。ふたり、肩を並べていい雰囲気になる。
ふーんだ。すぐ仲直りしちゃった。つまんない。
「にゃおん」
「モカちゃん。ほら見て。とっても綺麗」
うっとりとした顔で、ミネちゃんがあたしを抱き上げる。
今日のお月様、まんまるだね。
お月様にはね、あたしのママがいるんだよ。
まんまるの日はにっこり笑ってる気がして嬉しいの。
モカだよ。元気だよ。大好きよう、ママ。
「にゃーおん」
「はは、こいつ、月に向かって鳴いてる。狼みたいだな」
「にゃっ」
折角ママとの会話と楽しんでいたのに、カタセくんやっぱりキライ。狼なんかと一緒にしないでよ。
もう、ここじゃゆっくり話せない!
あたしは、ミネちゃんの腕をすり抜けてベランダの欄干に乗った。
「きゃ、危ないよモカちゃん」
「にゃーおん」
平気。ミネちゃん、あたしもう子供じゃないのよ?
隣の家の屋根までぴょーんと飛ぶ。うん。着地もばっちり。