ただあの子になりたくて


でも私はやはり、彼が気になってしまうのだ。

ベッドに寝転がったまま、スマホを持つ手を天高く掲げて、どれくらいの時間その光を見つめ続けただろう。

画面に積み重なって表示された彼からのメッセージ。

そこには記されていたのは、昨日本当の私の元へお見舞いに行ったこと。

容体に変わりがなかったこと。

そして、私の本当のお母さんが病院で、過労から倒れたこと。

結びには、何か手伝いになれないかと思うから、みんなで見舞いに行かないかと。

憂鬱で、体がベッドに重く沈み込んでいく。

なんて最悪な朝だろう。

読むたびに、何度目か知れないため息がまた一つ、部屋に溢れた。


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