ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に
「ど、どうすればいい?私、着替えもしてないしお風呂にも入ってないまま寝たのに……」

「兄嫁に相談すれば?」

「真綾に!?」

「同じ家の中にいるんだ。相談だってし易いだろ」


いや、それは返って気恥ずかしいと思う。

でも、それくらいしか方法が無いのは確かだけど。



スマホの画面を眺めて悩んだ。
迷った挙げ句、『ヘルプ、ミー』と文字を打った。

流れてきた返事に理由を返し、少し会話をした後でノックの音がした。



「はい」


開かれたドアの向こうには、唖然とした真綾の姿があって。


「ホントにいる……」


LINEの文字が信じれなかったみたいに呟かれた。


「すみません、そういう事なんでヨロシク」


私の身を真綾に預けて、ニヤリと微笑む王子。


「任せて」という言葉と共に部屋を出た。
お風呂を使い、真綾の用意してくれた服に着替えさせてもらった。


「ご飯食べに行きましょう」


身支度の整った私を見て頷き、食事する部屋に招かれた。
一番奥の席から数えて二番目の席に、オフィスのトップが座ってる。


「お待たせしてすみません」


真綾のように言えないから、ペコン…と頭だけ下げた。


「なんだ。お客様って乃坂さんだったのか」


社長でもある真綾の旦那様が笑ってる。


「お客様はお客様でも、大輔さんの彼女なんだって」


ペラペラと紹介されてしまった。


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