ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に
一応写メしておこうか。
でも、カメラを向けたら顔が撮れない。
「自撮りする?でも、なんだかそれもどうも…」
いつもはオシャレに縁のない私。
言うなればこれは、一世一代の賭けみたいなもん。
「郁也くん、どんな反応するかなぁ」
ワクワクしながら家を出た。
「もしかしたら帰りが遅くなる(帰らない)かもしれない」…とおばあちゃんに言い残して。
夏祭りの会場は市内の神社。
人目を気にしてタクシーで乗り付けた。
「浴衣がお似合いですよ」
バッグミラー越しに運転手さんからも褒められ、気を良くした私はお釣りも貰わずに車外へと飛び出した。
「暑いっ…」
パタパタとハンカチで仰ぐ。
待ち合わせの時間まで、どこかに隠れておこうとキョロキョロ辺りを見回した。
「いい所発見!」
参道の脇に立つ大きな石灯籠の後ろがいい。
程よく影だし彼氏が来ても見える位置だし。
慣れない下駄を鳴らして歩きだした。
裾が捲れるのが気にしながら、ちょこちょこと小股で歩く。
(郁也くんに手握ってもらおう)
ほくそ笑みながら妄想は拡がっていくばかり。
なんとか道路を渡りきり、神社の鳥居をくぐった。
(あれは……)
見覚えのあるシャツが目の前に見えてる。
水色とイエローのストライプシャツにモスグリーンの短パン。
後ろ姿も髪型もどう見ても彼氏だ。
でも、カメラを向けたら顔が撮れない。
「自撮りする?でも、なんだかそれもどうも…」
いつもはオシャレに縁のない私。
言うなればこれは、一世一代の賭けみたいなもん。
「郁也くん、どんな反応するかなぁ」
ワクワクしながら家を出た。
「もしかしたら帰りが遅くなる(帰らない)かもしれない」…とおばあちゃんに言い残して。
夏祭りの会場は市内の神社。
人目を気にしてタクシーで乗り付けた。
「浴衣がお似合いですよ」
バッグミラー越しに運転手さんからも褒められ、気を良くした私はお釣りも貰わずに車外へと飛び出した。
「暑いっ…」
パタパタとハンカチで仰ぐ。
待ち合わせの時間まで、どこかに隠れておこうとキョロキョロ辺りを見回した。
「いい所発見!」
参道の脇に立つ大きな石灯籠の後ろがいい。
程よく影だし彼氏が来ても見える位置だし。
慣れない下駄を鳴らして歩きだした。
裾が捲れるのが気にしながら、ちょこちょこと小股で歩く。
(郁也くんに手握ってもらおう)
ほくそ笑みながら妄想は拡がっていくばかり。
なんとか道路を渡りきり、神社の鳥居をくぐった。
(あれは……)
見覚えのあるシャツが目の前に見えてる。
水色とイエローのストライプシャツにモスグリーンの短パン。
後ろ姿も髪型もどう見ても彼氏だ。