ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に
いきなり現実突きつけられた気分。
おとぎ話の世界じゃ至れり尽くせりなのに。
「行くぞ」
偉そうにするな。
「はは、はいっ!」
あーあ、言いなり。
谷口の分もゲートでチケットを渡して半券戻してもらう。
「一旦、外へ出られても半券があれば再入場できますから」
(へぇー、そうなのか)
納得してる間にヤツはどんどん先へ進む。
(この男、待てないの!?仮にもお金を払ってるのは私なのよ!?)
ぶちぶち言いたくなるのを抑えて後を追うと、進路方向にエスカレーターが見えてきた。
「これを上がればいいんだな」
呟きレールの上に足を乗せる。
「ほら来い」
手を出して引っ張る。
トン…とレールの上に足が乗ると、ニッと笑う口元。
一瞬シンデレラみたいな気分に陥った。
男性に手を添えられて階段を上るなんて、私には経験ないから。
「暗いな」
海の底に潜っていくイメージで作られたエスカレーターの先を見て呟く。
「サングラス外せばいいでしょう」
館内はどこも暗いし。
「そうだな」
改めて思ったみたいに外してる。
(…ふぅん。こんな顔だったんだ)
暗いからはっきりとは確認できないけど、谷口の顔はまあまあのイケメンだった。
まつ毛の長い目が大きくて、二重のスジはやっぱり深くてくっきりとしてる。
鼻筋は通ってて小鼻もそんなに広がってない。
おとぎ話の世界じゃ至れり尽くせりなのに。
「行くぞ」
偉そうにするな。
「はは、はいっ!」
あーあ、言いなり。
谷口の分もゲートでチケットを渡して半券戻してもらう。
「一旦、外へ出られても半券があれば再入場できますから」
(へぇー、そうなのか)
納得してる間にヤツはどんどん先へ進む。
(この男、待てないの!?仮にもお金を払ってるのは私なのよ!?)
ぶちぶち言いたくなるのを抑えて後を追うと、進路方向にエスカレーターが見えてきた。
「これを上がればいいんだな」
呟きレールの上に足を乗せる。
「ほら来い」
手を出して引っ張る。
トン…とレールの上に足が乗ると、ニッと笑う口元。
一瞬シンデレラみたいな気分に陥った。
男性に手を添えられて階段を上るなんて、私には経験ないから。
「暗いな」
海の底に潜っていくイメージで作られたエスカレーターの先を見て呟く。
「サングラス外せばいいでしょう」
館内はどこも暗いし。
「そうだな」
改めて思ったみたいに外してる。
(…ふぅん。こんな顔だったんだ)
暗いからはっきりとは確認できないけど、谷口の顔はまあまあのイケメンだった。
まつ毛の長い目が大きくて、二重のスジはやっぱり深くてくっきりとしてる。
鼻筋は通ってて小鼻もそんなに広がってない。