竜宮城に帰りたい。



***

放課後ーーー



「じゃあね、澪!
また明日!」


「また明日。
部活がんばって!」



早月はバスケ部の練習に向かっていき、
私は教室で一人になる。


あ…
今日掃除当番だ。


班のメンバーを見ると、男子はすでに教室を出ていってしまっていた。



「澪ちゃん、男子帰っちゃったよ?
掃除どうする~?」


「えっと…」


同じ班の女の子にそう尋ねられ、返答に悩む。

帰ろうって言った方がいいのかな。

でもあとでバレたときにみんなも怒られちゃうしな…

私一人で残るって言えば…
でもそれは寂しいし…

ここは勇気を出して、女子だけでやろうって言いたい…!



「ごめん、えっと…掃除、やったほうがいいよね?
一応。怒られたら嫌だし…。」


「本当!?ありがとう、澪ちゃん!!」


「へ…」



班の女の子たちは自分のカバンを持って、
私に笑顔を向けた。




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