愛と音の花束を
「第3楽章。序奏の後は、モルト・ヴィヴァーチェ。非常に生き生きと。ここからはもう、生きる喜びにあふれた音楽です。楽しさ・高潮感・華々しさ。愛のある人生の素晴らしさを伝えたい」
……あろうことか、椎名のことが浮かんで、胸がギリギリ締め付けられる。
……眩しいなぁ。今の私には、その言葉が眩しすぎて、心が痛いよ。三神君。
「僕はアマチュアです。ただ、数回しか合わせられないプロを呼ぶのと違って、幸い一緒に練習を重ねることができる。細かいところまで擦り合わせて、より説得力のある音楽に仕上げることができます。お客様の心に届く演奏を目指して、あと1か月、頑張りましょう。よろしくお願いします」
三神君が頭を下げると、みんなから大きな拍手が起こった。
ブラボー。
三神君と入れ替わりに、早瀬先生が指揮台に上がる。
「ということでしたが、愛といわれて、皆さんは何を思い浮かべました?」
いたずらっぽい笑顔。
「言わなくていいから、心に答えを用意してくださいね」
……悔しいことに、椎名です。