愛と音の花束を
「椎名君。1ヶ月に1度、ソラを連れて、家にいらっしゃい」

「先生……」

「初回には、私の元を離れてからのピアノ経歴と、設楽君の元で学んだことをレポートにまとめてくるように」

「はい! ありがとうございます!」

……わぁ、学校の先生と生徒みたい。

「設楽君が君を、ピアノ熟練者がヴァイオリンを習得するまでの実験に使ったなら、私は、ピアノ熟練者がヴァイオリンを経験したことによるピアノ演奏への影響を研究したい」

……早瀬先生には申し訳ないけど、音楽パパ、すごいな……。
那智、引くっていうのは、こういうことをいうのよ。

「僕が一緒に行く意味はないだろ」
「実家に寄り付かないから、母さんが会いたがってる」
「行くとヘアメイクさせられるわ、ピアノ連弾に付き合わされるわで、面倒臭いんだよ」
「仕方ないさ。教育費を返すつもりで付き合ってあげなさい」
「ちょっとやめてよ、人様の前で恥ずかしい!」

……音楽一家は、仲良くて楽しそうだけど、何やら少し特殊らしい。








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