桜の花びら、舞い降りた
「ほぉ……」
紅茶をチビチビと飲みながら、俊さんが圭吾さんを横目で見る。
「で、タイムマシンはどこに?」
当然とも言える質問を投げかけた。
「……わからないの。気づいたら未来にいたんだって」
「そうなんです」
私の言葉に続いて、圭吾さんが頷く。
すると俊さんは、急にプッと吹き出した。
彼にしては珍しい反応だった。
いつも力が抜けたような感じでつかみどころのない俊さん。
笑うことはあっても堪えきれずに吹き出すなんてことは、今まで見たこともない。
私が知っている俊さんについての説明書にはないのだ。
といっても、たかだか一年くらいの付き合いだけど。
「嘘を吐くならもっとマシな嘘を吐けよ。そんなの誰も信じないぞ」
「だから本当なんだってば! 俊さんにそんな嘘を吐いてどうすんのよ」
足をバタバタとさせ、両手もブンブン振って猛攻撃してみた。
呆れた顔で紅茶を飲み続ける俊さんは、さすがに私の反応に目を丸くしていた。