未完成恋愛
オレは怒っていたし、こんな取引に応じるつもりもないし。

「…断る」

「えぇ?!ダメなの?」

「そんな事言われてOKするヤツなんていねーって」

「ママに言うかもよ」

「言えよ。オレは悪い事してる訳じゃない。ただ…岡崎を傷つけたらオレ仕返しするよ?アンタもホテルに行ってたとかって言うからな」

「…あ、そ」

「じゃ、そういう事で。オレ行くわ」

「…」


オレは教室に戻りながら少し心配になった。あの女…ホントに何かやりそうじゃね?


「村上!さっきのなんだった?」

教室に入ると田上が声をかけてきた。あんまり言いたくないオレは適当にごまかした。

「三年に告られた」

「あぁ…なんだ。いや~相変わらずモテますなっ」

「冗談じゃねぇよ」


ホントマジで。今まで告ってきたヤツってオレの何を知ってる?
こんなオレを知ったら…幻滅するぜ?


岡崎に会いたい。


彼女に触れたい。


それだけでオレは安心して、こんなイライラもなくなっちゃうのにな…



しかし
岡崎は修学旅行に行っていた。

帰ってくるのは明後日

耐えられねぇ…

こんなオレはもう…彼女無しでは生きていけないだろうなって思った。
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