きみのおと
「・・・もしかしなくても、皐月ちゃんに会いに行ってたの?」
「・・・ううん。会ってないよ」
「そう。千秋くんの事信じるけど・・・」
しぃちゃんを僕の家に招いて、僕の部屋で話をする。
僕の頭がまとまっていなくて混乱しているのを、しぃちゃんは見抜いているかもしれない。
なにかあったって、気づいているのかも・・・。
「私の、嫌な話していい?」
「いやな、話?」
「私が、心が狭いって話」
「え・・・」
意外な言葉に顔をあげる。
しぃちゃんはなんだかふて腐れたような顔をして僕を見ていた。
「千秋くんが優しいの知ってるから、皐月ちゃんが心配なのわかってるし。力になりたい気持ちもわかるからさ。私もその手助けをしたいっていうのも、本心」
「・・・うん」
「でも、やっぱり正直いい気持ちはしないの」
そんなの、当然だ。
きっと僕が逆の立場でも・・・。
しぃちゃんの優しさが他の誰かに向くことは嫌だって思ってしまう。