きみのおと
「・・・じゃあ、お願いします。久賀くん」
深々と頭を下げた。
生徒としてしっかりと身につけなくちゃ。
久賀くんが先生だと、普段の授業よりも真剣になるな。
ノートを開きながらそんな事を思った。
そんなこと先生に聞かれたら怒られるだろうけど。
『追試を受けたことがないからわからないけど、たぶん本試の問題に似た問題が出ると思う。範囲は同じだし、とりあえず今回のテストで間違ったところを教えてくれる?』
ノートに書かれた綺麗な字。
私は頷くと、少し恥ずかしく思いながらも今回の答案用紙を取り出した。
でも、追試ってことは赤点だってもうばれてるんだもん。
今更恥ずかしがっても無駄だよね。
「はい、これが答案用紙です」
すすっと差し出すと、久賀くんは視線をそれにうつした。
長い前髪がなんだか邪魔そう・・・。
そうだ。
「久賀くん、こっち向いて」
答案用紙に向けた視線をこちらに向けてくれる。
私は鞄の中から取り出したアメピンを持ち、久賀くんの前髪にそっと手を伸ばし前髪を横に流してとめた。
「前髪が邪魔そうだったから・・・」