朝焼け

雄が自転車を押し、その隣りを私が歩く。



「…手、繋ぎたい。
薫とくっついていたいのに。
手塞がっちゃって手が繋げない。」



と、雄がこぼす。



私もそう思ってた。



だから。



自転車のハンドルを掴む雄の手がダメなら。

と。


雄の腕に自分の腕を絡ませる。




「手は繋げないけど、これならくっついてる☆」

と言うと、雄の顔が真っ赤になった。



その表情も好き。



きっと、雄だったらどんな部分も愛せるんだと思う。
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