狼な彼と赤ずきん
「なあ、狼。決闘ではお前の負けだが」



アドランが彼の背を軽く叩く。



「お前が身を張ってアリシアを守ったのは評価する。……こいつのことを愛してるんだろ。お前のものだ、獣め」



吐き捨てるようにアドランがそう言い、私の手を持って狼の腕の中に押し付けた。



「さっさと帰れ。警備にはお前らを見逃すように言っておく。それと……」



彼は部屋にある小さな金庫の鍵を開けると、小瓶を取り出して私に投げてよこした。


中には緑色に光るどろりとした液体が入っている。



「これ、やるよ。高級品だから、大切に使え」



「え、これは何……」



アドランがくれるものなんて、ろくなものではない気がする。


この液体ははっきりいって気持ち悪いし、とても怪しい。



「さあな。万が一のためのお守りとでも思っておけ」
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