狼な彼と赤ずきん
最悪のタイミング。



見たところ、彼らは騎士団ではないようだが――いや、騎士団などよりもずっと邪悪な雰囲気を感じる。



彼らは、公安警備団だ。


国の汚れ仕事やその後始末をする、いわば裏の騎士団。


実際に出会ったのは今回が初めてだが、任務を遂行するという名目での数々の悪行は耳にしている。



彼らに見つかってしまったのでは、もうおしまいだ。



私は死を覚悟して、狼を抱きしめた。


死ぬ時はせめて、二人一緒がいい。



集団のうち一人の若い男が、私たちに向けて大剣を構えるのが視界の端に映った。



今度こそ、死ぬ――。
< 119 / 129 >

この作品をシェア

pagetop