背番号6、最後の青春
菜乃ちゃんは一度弘也の方を見て首を傾げた。
「うーん、特におかしいとは思わないんですけど…」
それから弘也の動きをしばらく見ていたが、結局おかしいとは思えなかったらしい。
それだけ見ていても分からないということは、やはり俺の杞憂なのかもしれない。
時間を見る。あと5分ほどで前半が終了さするようだ。
菜乃ちゃんは冷やしたタオルを絞り、選手に出すための準備をしていた。
それからさっさと準備を終わらせて、俺の側に来ると、
「聞いてみて痛めてるようだったら、保健室の方に湿布があるので持ってきますから言ってくださいね」
それだけ言ってからベンチの方にかけていった。
俺も後を追うようにしてベンチに戻る。
「おうおう、戻ってくんの遅かったな」
ニヤッとしながら話しかけてくる裕翔に、うるさいと突っ込んでベンチに座る。