背番号6、最後の青春



「湿布取りに保健室に」

そっけなくもそう答えると、弘也は納得してついてきた。

怪我人…、怪我ではないかもしれないが、足が痛むなら大人しく座っててくれればいいのに。

しかしそんなことを言ったらきっと弘也は文句を言うだろう。

だから俺はあえて何も言わず、隣に並んだ弘也とたわいない話をしていた。


「ちょっ、真矢先輩!わたしが持ってきますから!弘也先輩は座ってて!」

慌てて後ろからついてくる菜乃ちゃんの声を聞きながらも、俺と弘也は保健室に向かう。

結局菜乃ちゃんもついてくる形となった。

というか菜乃ちゃんが保健室の鍵を持っているらしく、菜乃ちゃんと行かないと保健室に入れないそうだ。

< 27 / 283 >

この作品をシェア

pagetop