風便り〜大切なあなたへ〜
「小林、あいつとはもう、関わるなよ?」
「え?」
「危ないから、あいつには近づくな。わかったか?」
「・・・」
先生は、私を諭すように言った。
わからないよ、先生・・。
どうして、そんなこと言うの?
先生は、守屋くんの担任の先生なのに・・。
入学式の時、守屋くんと仲良くしてやってくれ!って言ったのは、先生なのに・・。
どうして、そんなこと言うの・・?
「小林、わかったか?」
なにも言わない私に、先生は私の顔を覗き込むように、もう一度、優しい声色で言った。
「先生・・」
「なんだ?」
「・・わからないよ」
「なに・・?」
私の言葉に、先生の顔が、少し険しくなった。
「・・先生、どうしてそんなこと言うの?先生は守屋くんの担任の先生でしょ?なのに・・・どうして、そんなこと言うの?」
悲しくなった。
先生が、守屋くんを見てくれていない。
守屋くんを、心配してくれていない。
辛そうな顔をした、守屋くんを、助けてあげようとしてくれていない。
昨日の守屋くんの笑顔を思い出し、心が締め付けられた。
悪い人じゃ、なかったよ?
怖い人じゃ、なかったよ・・?
だから、先生もちゃんと、守屋くんのことを、見てあげて・・?