風便り〜大切なあなたへ〜





次の日の朝、また、先生に呼び出された。

昨日と同じように、二人で廊下に出た。



「小林、昨日、守屋と会ったか?」


「会いましたけど・・・?」


「どこで会ったんだ?」



そう言われて、言葉を濁した。


あの土手は、守屋くんと、私が唯一会える場所。

二人だけの、秘密の場所な気がして、あんまり、人には言いたくなかった。



「小林?」


「あの・・えっと・・・」


「どうした?」


「・・先生、ごめんなさい」


「なんで謝るんだ?」


「・・・会った場所は、言いたくないです」



そう私が言うと、先生は難しい顔をした。

そして、ため息をついた。



「わかった、言いたくないなら、言わなくていい。だけど、これだけは言わせてくれ」



そう言って、先生は、私の頭に手を置いて、私の頭を撫でた。

私は、先生の意外な行動に、ちょっとびっくりした。



「昨日、先生言ったよな?守屋と、ちゃんと向き合うって」



先生は、優しい声で言った。



「はい・・・」



私も、昨日それを聞いて、とても嬉しかったことを思い出した。



「昨日先生、守屋の家に行ったんだ。だけど、守屋はいなかった」



先生の、その言葉を聞き、昨日、守屋くんに会った時のことを思い出した。


思い出したら、守屋くんに会いたくなった・・・。





< 25 / 273 >

この作品をシェア

pagetop