風便り〜大切なあなたへ〜
バスの中はクーラーが効いていて、涼しかった。
座席も、思ったより混んでなくて、大和と座れた。
目的の場所に着くと、バスから降りた。
バス停から、神社まで、少し歩かなくちゃいけなかったけど、そんなに時間はかからなかった。
途中、大和が自販機で、飲み物を買ってくれた。
「ほら、喉渇いたろ?ちゃんと水分補給しろよ」
そう言って大和は、冷たいお茶を渡してくれた。
「うん、ありがとう」
私は蓋を開けて、一気に喉を潤わせた。
冷たくて、気持ちいい・・。
冷たいお茶が、体に染み渡る・・。
私はお茶を半分くらい飲むと、蓋をした。
「もういいのか?」
「うん」
私は笑顔で答えた。
大和を見ると、お茶の入ったペットボトルを一本飲みきっていた。
「じゃあ残り、俺にくれ」
「え?」
「足りねえんだよ」
大和はぶっきら棒に言った。
「はい」
私は笑顔でお茶を、大和に渡した。
大和は口をつけて、一気にお茶を流し込んだ。
これって、間接キスだよね・・。
なんだか、ちょっと恥ずかしい・・。
私は大和から、視線をそらした。
大和はそんな私に気付いて、意地悪に笑った。
「真子、顔が赤いぞ?」
「・・・」
「間接キス」
「言わないでよ・・」
私はもっと赤くなった顔で、大和を見上げた。
大和は私の頭に手を乗せると、優しく撫でてくれた。
空になったペットボトルを、ゴミ箱に捨てると、大和は私に手を差し出した。
「ほら」
「うん」
私は笑顔で大和の手を握った。
「暑いか?」
「ううん、 平気だよ」
ちょっとでも大和に触れられて、嬉しいよ・・。
暑さなんて、吹っ飛んじゃう・・。
目的の神社につくと、昨日雑誌で見たよりも、実物の方が素敵に見えた。
あんまり神社とか行かないから、別世界に来たような感じがした。
大きな鳥居を過ぎると、空気が変わって、少し涼しく感じた。
「すごい、立派だね!」
「そうだな」
大和は笑顔で答えてくれた。