風便り〜大切なあなたへ〜





バスの中はクーラーが効いていて、涼しかった。

座席も、思ったより混んでなくて、大和と座れた。

目的の場所に着くと、バスから降りた。

バス停から、神社まで、少し歩かなくちゃいけなかったけど、そんなに時間はかからなかった。

途中、大和が自販機で、飲み物を買ってくれた。



「ほら、喉渇いたろ?ちゃんと水分補給しろよ」



そう言って大和は、冷たいお茶を渡してくれた。



「うん、ありがとう」



私は蓋を開けて、一気に喉を潤わせた。


冷たくて、気持ちいい・・。

冷たいお茶が、体に染み渡る・・。


私はお茶を半分くらい飲むと、蓋をした。



「もういいのか?」


「うん」



私は笑顔で答えた。

大和を見ると、お茶の入ったペットボトルを一本飲みきっていた。



「じゃあ残り、俺にくれ」


「え?」


「足りねえんだよ」



大和はぶっきら棒に言った。



「はい」



私は笑顔でお茶を、大和に渡した。

大和は口をつけて、一気にお茶を流し込んだ。


これって、間接キスだよね・・。

なんだか、ちょっと恥ずかしい・・。


私は大和から、視線をそらした。

大和はそんな私に気付いて、意地悪に笑った。



「真子、顔が赤いぞ?」


「・・・」


「間接キス」


「言わないでよ・・」



私はもっと赤くなった顔で、大和を見上げた。

大和は私の頭に手を乗せると、優しく撫でてくれた。

空になったペットボトルを、ゴミ箱に捨てると、大和は私に手を差し出した。



「ほら」


「うん」



私は笑顔で大和の手を握った。



「暑いか?」


「ううん、 平気だよ」



ちょっとでも大和に触れられて、嬉しいよ・・。

暑さなんて、吹っ飛んじゃう・・。


目的の神社につくと、昨日雑誌で見たよりも、実物の方が素敵に見えた。

あんまり神社とか行かないから、別世界に来たような感じがした。

大きな鳥居を過ぎると、空気が変わって、少し涼しく感じた。



「すごい、立派だね!」


「そうだな」



大和は笑顔で答えてくれた。





< 252 / 273 >

この作品をシェア

pagetop