風便り〜大切なあなたへ〜





「そいつに、触んな!」



急に声を荒げながら、守屋くんは近づいてきて、先生の肩を手で突き飛ばした。

先生は、ちょっとよろけながら、守屋くんを見た。



「・・・話、聞くから、こいつに触んな」



守屋くん・・・?



「わかった、もう触らないから、落ち着け、守屋」


「・・・」



守屋くん、急にどうしちゃったの・・?

こんな守屋くん、見たことないよ・・・。

いつもは、口も悪いし、ぶっきら棒だけど、こんなに声を荒げるなんて・・。

私は、びっくりしすぎて、涙が止まっていることにも気づかなかった。



「まあ、座れ」



そう言って先生は、守屋くんに座るように促した。


・・私、帰った方がいいのかな?

話し合うんだったら、私いない方がいいよね?



「あの、私、帰ります」



そう言って、帰ろうとした時だった。

守屋くんが、私の腕を掴んだ。



「お前は、ここにいろ」



言いながら、守屋くんの手に力が入ったのがわかった。


・・・不安なんだね。

今度は、なに言われるか怖いんだね・・。



「うん」



私は守屋くんの隣に座り、守屋くんの手を握った。



「・・・なにしてんだよ」


「こっちの方が、落ち着くでしょ?」



そう笑顔で言った。


守屋くんは、なにも言わなかった。

・・だけど、守屋くんの手が、震えてたのが伝わってきた。


体が大きくても、態度が大きくても、人間だもんね・・・。





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